横浜華僑通訊 2005年1月号より


目次:

2005年 年頭のごあいさつ 共存共栄のために!

横浜山手中華学校 教育懇談会開催

横浜山手中華学校 中文講演会開催

横浜華僑小紅の会 会員総会開

「学前教育」報告会開く

中国留学生援護会 日中友好パーティー開催

中日調理師会(社)日中協京浜地区本部 懇親会開く

中国万華鏡  ( 27) 卡通民警

訃 告




会  長 曽徳深
 副 会 長 林道清 任政光 劉燕雪 潘民生 楊義誠 謝成發
 理事監事一同  事務局一同
2005年 年頭のごあいさつ 共存共栄のために!


題字、写真:曽徳深

横浜華僑総会会長 曽徳深
 新年好!新しい年が健やかで、実りの多い年であることを心から願っています。
 過ぎし2004年で強く印象に残ったことを並べると、2月、みなとみらい線の開通で、元町中華街駅からの人の流れが途切れず、中華街に人があふれかえった。3月、胡錦濤主席が、全国政治協商会議の席上、華文教育について重要な指示を行った。3月19日、一発の銃弾が陳水扁の腹部をかすめ、翌日の投票の結果、陳水扁が総統再選を果たした。4月、日本の外国留学生入国許可率は、中国26・5%、その他の国89・5%。ちなみに前年の中国人の許可率は74%。6月、中華街が、大京からマンション用地を譲り受け、媽祖廟の建立を決定した。8月、サッカーアジアカップで、中国人ファンの反日ブーイング。10月、王毅大使が横浜の国慶節祝賀会で、横浜山手中華学校の新校舎建設に強い支持を表明した。12月8日、IBMがパソコン事業部門を中国の聯想集団に売却。12月10日、日本政府は、「防衛計画の大綱」を決定し、日本周辺の不安定要素として朝鮮半島と台湾海峡を挙げ、初めて名指しで中国への警戒感にふれた。翌11日、台湾地区の立法院選挙で、独立を掲げる勢力が過半数を得ることができなかった。18日、日本の内閣府が「外交に関する世論調査」の結果で、中国に「親しみを感じる」が37・6%に止まり、調査開始以来最低を記録。日中関係を「良好だと思う」は28・1%、前年より18・8ポイント低下。一方、韓国に「親しみを感じる」が56・7%、3年連続過去最高を更新。23日、日本華文教育協議会が設立された。そして、年もおしせまって、中華街大通りの電線地中化と道路のバリアフリー化が2年がかりで竣工した。
 昨年の回顧から概括できることは、複雑多変な東アジア情勢、日中間の関係が政冷経熱の状況下、相互懐疑、相互嫌悪の度合いが進む中、横浜中華街などに代表されるまじめな華僑・華人の日常的努力が多くの日本人の理解を勝ち取っていることである。日本、中国、韓国・朝鮮は一衣帯水の隣国であるために、地政的に利害摩擦が避けられない、かつて軍国主義者が起こした戦争によって各国民が大きな被害を受けたが、その愚を2度と繰り返してはならない。地政的な矛盾を乗り越えて、共存共栄をめざすには、相互理解が欠かせない。日本に居住する外国人の内、韓国・朝鮮は32 %、中国は24%を占めている。われわれが国民間の相互理解に果たせる役割は大きい。華僑華人が日本を理解する、中国を理解する、連なる人たちとその理解を共有する、この作業を始めよう!


横浜山手中華学校 教育懇談会開催
 あいさつする梁理事長

 横浜山手中華学園理事会(梁慶安理事長)は12月3日(金)、04年度教育懇談会を開いた。教育関係者を招き教育の諸問題について意見交換・経験交流のため毎年開かれるこの会に、今年も中国大使館領事部代表、神奈川県と横浜市教育委員会の代表、公私立の大学・高等学校および関係小中学校代表、各僑団僑会代表、学園理事会理事、学校教職員、家長代表が130名余出席した。
 梁理事長は「百年校史」の編纂、新校舎建設計画の経過を紹介し、支持と協力支援を呼びかけた。来賓を代表して大使館領事部の于淑媛参事官兼総領事と高木茂高木学園女子高校校長があいさつし、殷秋雄日本華僑華人聯合総会会長が乾杯の音頭をとった。


横浜山手中華学校 中文講演会開催


 横浜山手中華学校(潘民生校長)は毎年全校生徒が参加する中文講演会を開催する。今年も11月に予選会を開き各クラス2名の代表を選んだ。小学1年生は詩の朗読、小学2・3年生は中国語教科書の一文、小学4年生は物語を、小学5年以上の生徒は作文(スピーチ)を披露した。
 代表は16日の決勝に臨み、審査員は発音・イントネーション・態度・熟練度の4項目で審査に当たった。


横浜華僑小紅の会 会員総会開く
 
10月15日(金)、横浜華僑小紅の会(劉燕雪会長)は会員総会を開き、活動報告、活動方針を採択し役員改選を行った。
 小紅の会が運営する保育園小紅は01年の婦女会館完成により、安全で安定した保育環境を整えつつあり、子どもたちが元気に育っている。一方、園の定員は 名、市の設置要件を満たすと3歳児は5名、その結果2歳にしてやむなく園を出なければならないので、この点に苦慮している。増大する入園希望者にどう応えるかを緊急課題ととらえ、方策を求め、また学校とも連係してこの問題を一緒に考えていきたいとの方向を確認した。


「学前教育」報告会開く 
 横浜華僑小紅の会劉燕雪会長は11月8日(月)から4日間、中国上海で開かれた「中国教育国際論壇優質学前教育国際討論会」に参加した。 昨秋横浜を訪問した上海宋慶齢基金会学前教育代表団沈海平団長(宋慶齢基金会)の招きによるもので、討論会では「脳科学と幼児教育」についてレポート発表がされ、中国福利会が運営する宋慶齢幼児園、中国福利会託児所・幼児園の保育実践を見学しワークショップに参加した。
 12月15 日(水)に婦女会館で帰国報告会が開かれ、父母・保育士・小紅の会理事たちが参加した。


中国留学生援護会 日中友好パーティー開催

 12月11 日(土)、中国留学生援護会(前山勇会長)主催「2004年日中友好パーティー」が、ロイヤルホールヨコハマで開催され、会員及び留学生250名が集まった。
 前山会長は「講座を始めて18年、最初は30名の受講者でスタートしたが、今は550名の会員があります。日中の友好交流のお役に立てることがうれしい」とあいさつした。中国大使館宋柏林一等書記官夫妻、総会から劉燕雪副会長が参加した。


中日調理師会(社)日中協京浜地区本部 懇親会開く


神奈川県中日調理師会(鄭恵淋会長)と(社)日中協京浜地区本部は11月29日(月)、メルパルク横浜郵便貯金会館で定時総会懇親会および忘年会を開いた。総会曽徳深会長・温耀権事務局長が招かれて出席した。


中国万華鏡 はやり言葉 キーワード ( 27)
卡通民警

 年末の話題として、家の戸締り、心の戸締りに因んでスリを取り上げる。発展途上国にしろ先進国にしろ、窃盗事件の発生は万国共通。ただ、犯行手口や防犯対策となると、国情による違いや特色があるだろうと思う。いま、中国では「マンガ警察官」がお目見えしている。等身大に作った「お巡りさん」の立て看板が、上海の街角やデパート、外食店などが密集する盛り場に登場して話題になっている。特に子供には大変人気がある。漫画キャラクター風で強く人目を引くばかりか、お喋りも出来る。脇に置いた録音機から「在您享受购物的同时,请保管好随身物品,以防被盗」つまり「買い物の際はスリにご用心」と通行人に盛んに注意を呼びかける。防犯効果はそれなりにあるようだ。「マンガ警察官」のそばには、本物の警備員が見張り番をしている。市民の評判は上々だが、なかには皮肉たっぷりのこんな反対意見もある。「好好的活人自己不去巡逻,却得看着两张卡通民警,然后再让这两张卡通画发挥警察的功能,这不成了资源浪费嘛!」(ちゃんと血の通った本物の警備員はパトロールをしないで、紙製の漫画警官に仕事を押し付け、自分はただそばで見張っているなんて変ですよ、こんなの資源の無駄遣いですよ!)また防犯対策にはこんな提案をする人もいる。「テレビでもっと大々的にスリ、ひったくりの犯行手口を暴いて市民の警戒心を高めるべきだ」と。目下、中国のスリの使う常套手口の主流は「声东击西」(陽動作戦)スタイル。たとえば、バスの中でわざと相手の靴を踏んだり、カバンを引っぱったりして注意力をそっちへ向けさせ、そのスキに相手の露出したネックレスやブレスレットなどを掠め取るとか、走行中の自転車の車輪にそっと布切れを投げつけ、チェーンに絡ませて走れなくさせ、その隙に荷かごからバッグを盗むなどの手口がそれだ。防犯対策としては、やはり持ち物は肌身離さず、そして人目につきやすいところにはモノを身につけないというのが有効だ。たとえば、ケイタイ電話機などもハンドバッグの中にしまうよりは首に掛け、さらに上から外套を羽織って中に隠すくらいの用心があっていい。都会の小学校に通う一人っ子たちは少なからずケイタイを持ち、百元くらいの所持金もある。これが親の悩みのタネ。スリの餌食にされてはたまりません。父兄の中には、学校でも防犯安全教育を実施してほしいという声がある。警察署の巡査を学校に呼んで、実地に防犯の講習や訓練を行って、「生存技能」を身につけてほしいというわけです。  (鄭 青榮)


訃 告
 
 張沢福造氏(元中国名:張榮造・横浜中華学校6届生)04年12月6日逝去されました。享年65歳。通夜は12月10日、告別式は12月11 日、横浜市中区山下町「博善社」においてしめやかに執り行われました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。

 夏東成氏(横浜山手中華学校7届生・横浜中華街「聚楽」・広東省高明)04年12月16日逝去されました。享年63歳。通夜は12月18日、告別式は12月19日、横浜市中区山下町「廣東會舘」においてしめやかに執り行われました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。

 頼樹盻氏(鶴見華僑自治会会長・横浜台湾同郷会常任顧問)04年12月16日逝去されました。享年81歳。通夜は12 月18日、告別式は12 月19日、川崎市川崎区本町「総合葬祭式場・エヴァホール川崎」においてしめやかに執り行われました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。